経過勘定は、前払費用、前受収益、未払費用、未収収益をいいます。
経過勘定の論点は、日々の仕訳にあるのではなく、決算の時の論点です。
論点
1 経過勘定とは何か
2 くまのみみ
経過勘定の概要
経過勘定とは、期間損益計算を正確に行うために使用する勘定科目です。
「お金は払ったが、次期分の費用である」という場合や「まだお金は払っていないが、当期分の費用である」という場合に経過勘定を使います。
利息、家賃、保険料の処理でよく出てきます。
経過勘定の種類
経過勘定には、前払費用、前受収益、未払費用、未収収益があります。
どのような勘定科目なのかを理解しましょう
前払費用
前払費用は、費用といっていますが、資産勘定です。
前払いしたことで、サービスを受ける権利があるので、資産になります。
次期の分を含めて、当期の費用としているので、決算の時に当期以外を減額する仕訳をします。
前受収益
前受収益は、負債勘定です。
前受したことで、サービスを提供する義務があるので、負債になります。
未収収益
未収収益は、資産勘定です。
次期に受け取る予定の金額が当期の中にあるので、決算の時に当期以外を減額する仕訳を行います。
未払費用
未払費用は、負債勘定です。
支払いは、次期に行うが、本来は当期の費用なのに計上されていないので、決算時に費用を増やしておきます。
例題
【例題】
10/1 向こう1年分の保険料12,000円を現金で支払った。
(仕訳)
10/1の仕訳は、 保険料 12,000 / 現金 12,000
決算の時の仕訳は、1か月分の保険料は、1,000円なので、10月から3月までの分は、6,000円が当期分、残り6,000円は、次期分なので、保険料の6,000円を取り消す仕訳を行う。
前払保険料 6,000 / 保険料 6,000
4/1になったら、再び保険料6,000円を費用にする仕訳を行います。これを「再振替仕訳」といいます。
保険料6,000 / 前払保険料 6,000
くまのみみ
簿記では、経過勘定のことを「繰延べ」「見越し」ということがあります。
「繰延べ」は、前払費用、前受収益をいいます
「見越し」は、未収収益、未払費用をいいます。
繰延べ、見越しは、語呂合わせで覚えよう!
「くまのみみ」
く・・繰延べの「く」
ま・・前払、前受の「ま」
の
み・・見越しの「み」
み・・未払、未収の「み」
【例題】
10,000円の営業費を繰延べて、7,000円の営業費を見越しした。
(仕訳)
10,000円の営業費を前払して、7,000円の営業費を未払したということになります。
前払費用 10,000 / 営業費 10,000
営業費 7,000 / 未払費用 7,000