論点
1 貸倒損失はいつ、どのような時に使うのか
2 貸倒引当金は、いつ、どのような時に使うのか
3 貸倒引当金繰入、貸倒引当金戻入は、決算の時に使われる
4 償却債権取立益は、いつ、どのような時に使うのか
概要
商品を掛けで売った相手方が倒産した。夜逃げした。そんな時に使う勘定科目が、貸倒損失、貸倒引当金です。
簿記では、相手方の倒産や夜逃げのリスクをあらかじめ見積もって費用として計上しておきます。
貸倒損失は、期中に発生した売掛金や受取手形の不渡りという損失が出たときに使う費用の勘定科目です。ホームポジションは、費用なので、左(借方)です。
一方、期中でなく、前期の売掛金や受取手形が不渡りになったときに使う勘定科目が貸倒引当金です。引当金は、あらかじめ見積もっておく金額で、引当金を取り崩して使用します。貸倒引当金は、マイナスの資産です。
【例題】
決算になりました。貸倒引当金は、売掛金などの50,000の3%を設定する。貸倒引当金の残高は、1,000円だった。
(仕訳)
貸倒引当金の設定
50,000×3%=1,500円
1,500円を貸倒として見積もっておきたい。残高は、1,000円ある。この場合、1,500円-1,000=500円を積み立てておけばよい(このように差額を補充する方法を「差額補充法」といいます)ので、仕訳は、次のようになります。
貸倒引当金繰入 500 / 貸倒引当金 500
貸倒引当金は、マイナスの資産なので、ホームポジションは、右(貸方)
相手勘定の「貸倒引当金繰入」は、あらかじめ費用として計上しておくので、費用の勘定科目です。費用のホームポジションは、左(借方)です。
次の例題はどうでしょうか?
【例題】
甲社が倒産した。前期の売掛金が、500円残っている。貸倒引当金の残高は、300円だった。
(仕訳)
貸倒引当金 300 / 売掛金 500
貸倒損失 200
まず、売掛金が減ったので、売掛金のホームポジションの逆に仕訳
貸倒引当金を取り崩すので、ホームポジションの逆に仕訳
200円貸倒引当金が足らないので、貸倒損失として費用化する
貸倒引当金は、論点が多くて、検定試験でもよく出題される箇所です。問題を解いて解いて解きまくろう!
自由テキスト(簿記)