貸倒損失、貸倒引当金

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論点
1 貸倒損失はいつ、どのような時に使うのか
2 貸倒引当金は、いつ、どのような時に使うのか
3 貸倒引当金繰入、貸倒引当金戻入は、決算の時に使われる
4 償却債権取立益は、いつ、どのような時に使うのか

目次

概要 

商品を掛けで売った相手方が倒産した。夜逃げした。そんな時に使う勘定科目が、貸倒損失、貸倒引当金です。
簿記では、相手方の倒産や夜逃げのリスクをあらかじめ見積もって費用として計上しておきます。
貸倒損失は、期中に発生した売掛金や受取手形の不渡りという損失が出たときに使う費用の勘定科目です。ホームポジションは、費用なので、左(借方)です。
一方、期中でなく、前期の売掛金や受取手形が不渡りになったときに使う勘定科目が貸倒引当金です。引当金は、あらかじめ見積もっておく金額で、引当金を取り崩して使用します。貸倒引当金は、マイナスの資産です。

【例題】
 ① ×5年5月1日にA社に商品500円を掛けで売り上げた。
(仕訳)
 売掛金 500  / 売上 500

 ②  ×5年7月20日、A社が倒産し、売掛金500円は回収できなかった。
 (会計期間は、4月1日はじまりの翌年3月31日)
(仕訳)
 貸倒損失 500  / 売掛金 500
  期中の倒産による損失なので、勘定科目は、貸倒損失を使用します。

【例題】
 決算になりました。貸倒引当金は、売掛金などの50,000の3%を設定する。貸倒引当金の残高は、1,000円だった。
(仕訳)
 貸倒引当金の設定
  50,000×3%=1,500円 
 1,500円を貸倒として見積もっておきたい。残高は、1,000円ある。この場合、1,500円-1,000=500円を積み立てておけばよい(このように差額を補充する方法を「差額補充法」といいます)ので、仕訳は、次のようになります。

貸倒引当金繰入 500 / 貸倒引当金 500 
貸倒引当金は、マイナスの資産なので、ホームポジションは、右(貸方)
相手勘定の「貸倒引当金繰入」は、あらかじめ費用として計上しておくので、費用の勘定科目です。費用のホームポジションは、左(借方)です。

次の例題はどうでしょうか?

【例題】
 決算になりました。貸倒引当金は、売掛金などの50,000の3%を設定する。貸倒引当金の残高は、2,000円だった。
(仕訳)
 貸倒引当金の設定
  50,000×3%=1,500円
 1,500円を貸倒として見積もっておきたい。残高は、2,000円ある。この場合、2,000円-1,500=500円多いので、仕訳は、次のようになります。
 貸倒引当金 500 / 貸倒引当金戻入 500 
  貸倒引当金の残高は、2,000円で、設定したいのは、1,500円でいいので、500円多いから、貸倒引当金を減らします。∴ホームポジションの逆、右(借方)
 引当金500円は不要となったので、収益を増やすことになります。∴貸倒引当金戻入という収益の勘定科目を使用することになります。 

【例題】
 甲社が倒産した。前期の売掛金が、500円残っている。貸倒引当金の残高は、300円だった。
(仕訳)
 貸倒引当金 300   / 売掛金 500
  貸倒損失  200

  まず、売掛金が減ったので、売掛金のホームポジションの逆に仕訳
貸倒引当金を取り崩すので、ホームポジションの逆に仕訳
200円貸倒引当金が足らないので、貸倒損失として費用化する

【例題】
 前期に貸倒として処理した売掛金500円のうち200円が現金として回収できた。
(仕訳)
 現金 200  / 償却債権取立益 200
  まず、現金が増えたので、資産のホームポジションである左(借方)に仕訳
 例題の、前期というのが、味噌で、当期中の損失であれば、貸倒損失を計上しているので、貸倒損失を減らすために逆仕訳をするようになりますが、この例題では、「前期」という決算が済んでいるものが回収されたので、使用する勘定科目は、「償却債権取立益」という収益の勘定科目を使用します。

貸倒引当金は、論点が多くて、検定試験でもよく出題される箇所です。問題を解いて解いて解きまくろう!

自由テキスト(簿記)

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